錬金術師の隠れ家

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ラブライブ!サンシャイン!!シナリオ予想(特に終盤)やるぞ

深夜に突然だがラブライブ!サンシャイン!!のシナリオ予想をやってみようと思う。この半年間そればかり考えてきた気がするが、アニメ放送が一週間後の7月2日に迫ってる今、それをちょっと記事にしてみようと思ったのだ。PV2作の傾向からして、キャラクターの性質からして、そしてラブライブ一期の展開から分析的に考えることで、だいたい見当はつくと思う。これは願望というよりは予測だ。もちろん外れる可能性は非常に高いが、しかし与えられた要素を分析すればそうなるはず、というのを示しておくだけである。

物語中盤までは仲間集めの話となるだろう。1stにも描かれてる通り、鞠莉が加入したあたりが山場となるだろう。先行PVでかなマリの確執めいたものが描かれてるあたり、この二人の和解までの筋書きが描かれるはず。だが同時に梨子のことも気になる。1stだと千歌の誘いを一度断っている。しかし梨子のピアノを聴いて将来のメンバー全員が呼び寄せられる演出がある。Aqoursの結成に彼女が重大なところで機能することは確実なのだ。思うに彼女はすぐには加入せず、最初はマネージャーなどのサポート役として入部し、自分がスクールアイドルになることには消極的なのではないだろうか。そう考えるのは、やはり前の高校が音の木坂といういかにも物語を盛り立てる要素があるからである。前の高校が前作の舞台だとすれば、その人物は何かその場所に因縁を抱えているに決まっている。本当はスクールアイドルをやりたかったけど人数過多のため抽選に落ちてなれなかったとか、親友といざこざを起こしてスクールアイドルを辞めたとか。そうした過去の束縛を千歌との出会いによって克服し、Aqoursでスクールアイドルを始める。それだけの大掛かりなストーリーが展開されるとすれば、梨子の加入は鞠莉とほぼ同時か、最後の加入となるだろう。そして1stのラストのように、千歌と梨子は互いに信頼し合う最高の親友となるのだ。

だがこれはあくまで中盤までの展開である。私が予測するに一番面白くなるのはここからなのだ。「幼なじみ」と聞いて、あなたたちは何を思うだろうか。かつては「タッチ」に代表されるように幼なじみは主人公にとり将来の伴侶のようなものだった。ところがここ10年時代は幼なじみに冷たくなった。ギャルゲーやハーレムラノベの世界では幼なじみより、主人公の前に突然現れた謎の美少女の方がメインヒロインとして扱われ傾向が強くなったのである。幼なじみはもはや、その特権的地位を喪失したのである。もっともこれはギャルゲーやハーレムラノベの話であり、百合ではさほど幼なじみの特権剥奪は目立たなかった。だがここ近年とうとうその傾向が百合にも押し寄せてきた。その代表について多くは語るつもりはないが、ただ一言「ドキドキ!プリキュア」とだけ告げておこう。

さて話をラブライブ!サンシャイン!に戻そう。初期の設定においては、主人公の唯一の幼なじみとして松浦果南がその地位を占めていた。だが1stは千歌と梨子のガールミーツガールを色濃く描いたものである。私はそこから松浦果南の「負けフラグ」を明確に察知したものであった。だがこの予測は意外な方向に、しかしあながち的外れでもない方向に向かう。

2ndPVでは千歌と梨子が仲良くなってるところを曜が見つけてどこか疎外感を感じ、逃げ出すという、まさに「負けフラグ」を体現した描写がなされていた。PV公開に前後して、曜にも果南と同じく「千歌の幼なじみ」という属性が与えられていることが明らかになった。要は椅子が果南から曜に譲られたのである。

先行PVの内容も踏まえると、果南に関しては鞠莉との絡みを描くことによって、彼女がなぜスクールアイドルをやるのか、という問題設定が描かれることになるだろう。曜と果南に関しては、雑誌の情報をみても「なぜスクールアイドルをやるのか」がいまいち明確に見えてこなかった。メンバーが仲間との関係のなかでやりたいことを明確にするということが、ラブライブという物語で描かれてきたことを踏まえれば、メンバーの一員の自己実現が物語のクライマックスとなることは容易に想像できるのである。だがそれは果南の役割ではなさそうだ。というのも、果南はおそらく鞠莉との鍔競り合いのなかでそれを見つけはずだからである。

椅子を与えられているのは曜である。千歌は梨子に猛接近して、1stのような二人でセンターにつく曲をまたやろうとして、物語中盤以降ともにいる時間が増えるのではないだろうか。その代償に、渡辺曜は、幼なじみの属性を与えられ、先行PVでも千歌の隣にいる描写がしつこくなされていた彼女は、一人取り残されることになるのではないだろうか。そして2ndと同じく疎外感を感じた彼女は、何か千歌の失敗が原因で、彼女を信じられなくなり、Aqoursを自主的に離脱することになるのではないだろうか。

具体的に予想すると以下のようになる。Aqours結成後、千歌と梨子は一緒にいることが増え、他方飛び込みの大会の近い曜は練習に時間を費やすようになる。昔は千歌がよく応援に来てくれてたけれど、その千歌もアイドル部の練習を優先するようになり、自分との距離が離れていき、曜は寂しさを感ずるようになる。それが最悪の形で爆発するのが飛び込みのインターン予選当日である。予選とAqoursのライブが被ってしまい、曜は予選に出、他のメンバーはライブを行う。千歌は終わった後すぐ予選を見に行くよう約束するが、ライブが長引いてしまい、千歌は遅刻してしまう。曜は千歌のいない中出番を終え、予選に落ちてしまっていた。千歌が来てくれなかったことに怒りと悲しみを覚えた曜は、千歌に絶交を突きつけ、Aqoursを辞めるといって走り去っていく。
ショックで茫然とする千歌だったが、黒澤ダイヤに一喝を入れられる。明後日もライブがあるのに、今のままではライブは失敗に終わる。今すぐ態勢を整えなくてはならないというわけである。しかし泣くだけで何もやる気をなくした千歌は、こんなんでリーダーが務まるわけがないとライブから外されてしまう。ライブを中止するという案もあったが、しかし梨子をはじめ各自ライブにかける想いから、結局ライブをすることに決定する。各自の思いを込めた7人のライブは舞台裏で見ていた千歌や配信でみた曜も涙を流すほど素晴らしかった。二人は自分がなぜスクールアイドルをやりたいと思ったのか、それを見つめ直すことで、やがてメンバーに見守られるなか仲直りをする。次のライブでは曜と千歌がダブルセンターを務め、それとともにラブライブサンシャイン第一期は幕を閉じる。

言うまでもなくこれはラブライブ一期を意識している。メンバーの離脱と苦悩、そこから仲間との関係のなかで希望をみつけ和解し、それを記念したようなライブで結ぶ。新しい物語の門出であると同時に、ラブライブというシリーズを形式的に受け継ぐ形で本アニメは展開されるのではないか、そう推測した。

何度もいうがこれは希望的観測なのではない。それは、これまで小出しに出されていたキャラクターに与えられた性格を分析すれば自ずと導かれる展開なのである。