錬金術師の隠れ家

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2019-01-01から1年間の記事一覧

批評の意義とは何かー『やがて君になる』第5巻を参考に

批評の意義とはなんだろうか?作品は作品だけあればよいのではないのか?そんな議題を本日9月4日、アニクリ編集者・寄稿者の方々たちと話し合ったので、個人的に思ったことを書いてみる。 私としてはこの問題設定を聞いた時真っ先に、『やがて君になる』第5…

映画感想:『劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』(2016)

8月29日に、新宿ピカデリーにて『劇場版 響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』の特別特集上映があったので行ってきた。いうまでもなく、例の事件を踏まえた上映である。個人的には「そういえばまだ見てなかったな」という軽い気持ちで行…

石原孝二『「感情移入」と「自己移入」 : 現象学・解釈学における他者認識の理論 (2)(3) シェーラーの他者論 (前)(後)』

hdl.handle.net hdl.handle.net 我々はよく「あのキャラクターに感情移入して物語を読む」とか「このドラマは感情移入できなかった」という風に「感情移入」という言葉でもって偉ぶって作品を評価する。それはプロの評論家もよく使用する概念である。だが、…

ミシェル・フーコー『侵犯への序言』 DE No.13

フーコー・コレクション〈2〉文学・侵犯 (ちくま学芸文庫) 作者: ミシェル・フーコー,小林康夫,松浦寿輝,石田英敬 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2006/06/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 9回 この商品を含むブログ (29件) を見る この論考は196…