錬金術師の隠れ家

書評など。キーワード:フランス科学認識論、百合、鬼頭明里 https://twitter.com/phanomenologist

2014-01-01から1年間の記事一覧

ベンヤミンの《救済》の概念-「暴力批判論」と「ゲーテの親和力」

卒論書くにあたって、昔手掛けたなかでもっとも長いレポート(5000字くらい)を振り返って自分を見つめ直す。われながら良い出来だと思うので掲載することにする。結論はともかく、導入がかなりよい。批判論でたった一回しか登場しない概念を別のテクストと…

「臨床医学の誕生」第7章:見ることと知ること

ゼミで読んだ章をupすることにする。フーコーの「臨床医学の誕生」(神谷訳)第7章:見ることと知ること、である。 議論は第6章から続いており、一連の議論においてフーコーは19世紀に誕生した臨床医学の特徴である「まなざし」が実は言語的構造を持って…

光と実体

卒論で使うかもしれないので読んだ論考をまとめてみた。G. バシュラールの『エチュード』収録、『光と実体』である。 この論考では、光化学の歴史が ・ベーコン的方法の挫折 ・実体論的な思考の危険性 を示すことを明かしている。もっとも、ベーコン的方法の…